建築中の住宅の保険について
発注者と建築請負者において、事前にいろいろなリスクを想定して話し合っておくことが大切です。
【確認1】「誰が」「いつ」「いくら」、「損害」を被ることになるのでしょう?
【確認2】何が保険で対応でき、何が保険で対応できないのでしょう?
【確認3】できるだけ保険で対応するには、どのような契約の仕方があるのでしょう?

1)保険金の支払先は?
保険契約上の「被保険者」です。
「被保険者」は保険事故によって「損害」を被る人です。
2)住宅建築における「損害」とは?
住宅建築にかかる費用全般です。
3)建築費用の負担者は?
着工から引渡しまでは建築請負者、引渡し後は発注者、とすることが多いですが、引渡しがされる前に中間金として一部を発注者が負担するケースもあります。不可抗力による滅失などの場合は引渡し前でも発注者の負担になってしまう事があります。
4)保険の契約は?
保険は「損害」を補うためですから、着工から引渡しまでは建築請負者、引渡し後は発注者、が「被保険者」となり保険契約がなされます。
しかし発注者が中間金を支払う場合や不可抗力による滅失などで費用負担する場合は、発注者も「損害」を被る人になりうるので、保険契約の内容について確認が必要です。
5)天災等による「損害」の場合は?
台風などは対応できる補償内容になっている保険商品がほとんどです。(補償内容の確認が必要です。)
地震による「損害」は、「地震危険を補償する特約」の付帯もしくは「地震保険」でないと補償が受けられません。
「地震危険を補償する特約」は建築請負者が契約する保険に付けることが可能ですが、保険会社によっては引受が制限されていたり、補償範囲が限定されていたりします。
「地震保険」は、売買契約または請負契約を締結することにより、完成後に建物の全部または一部で現実に生活を営む世帯が確定した時点以降に契約することができますが、火災保険を主契約としてセットで契約する必要があり、「被保険者」は主契約の火災保険と同一になります。
着工から引渡しまでは、保険契約上の「被保険者」を発注者と建築請負者の連名にしておくことも対応策のひとつです。
<参考>
藤田仁(2010) 『被保険利益-その地位と機能-』 成文堂
http://www.seibundoh.co.jp/pub/search/021083.html
社団法人 日本損害保険協会 用語辞典
http://www.sonpo.or.jp/useful/word/
日弁連住宅建築工事請負契約約款
http://www.nichibenren.or.jp/ja/legal_aid/format/iedukuri_yakkan.html
民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款 新旧対照表
http://www.gcccc.jp/contract/contract.html
