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元本確保と元本保証(詳細)


元本保証

金融機関自体が預金者に対して預金元本を保証する意味と、
その取扱金融機関が破綻した場合に、
預金保険機構または貯金保険機構が支払不能に陥った金融機関に代わって、
預金者の預金元本を保護する意味との二通りがあります。
2001年4月1日よりペイオフが実施されますが、
これは、 預金保険機構等に加入している金融機関が経営破綻した場合には、
日本国内に本店を有する一金融機関につき、 一人当たり預入元本1,000万円まで、
預金者に保険金を支払うという形で預金の元本を保護するというものです。
これらの預金商品については、取扱金融機関の元本保証と預金保険機構等による
元本保証という二通りの保証がなされていることになります。

元本確保

昭和29年に制定された「出資法」という法律があり、
不特定多数の者から元本を保証して出資金を受け入れる行為を禁止しています。
そこで、保証ではなく色々な方法を駆使して元本を確保しています。
元本確保型金融商品としては実績配当型金銭信託・商品ファンド・外国投信があります。
これらは細かな点で違いはありますが、 運用のしくみ自体はよく似ています。
まず、 資金の6~9割などを債券購入や預金、 金の現先運用などの 「安定運用」 に回して、
満期時の元本確保を目指し、 残りの1~4割は先物やオプション等の、
デリバティブ (金融派生商品) などの先端商品で 「積極運用」 します。

(表1)

金銭信託 商品ファンド 外国投信
安定運用資産 国債・社債・預金 金の現在取引
確実性の高い金融商品
米国国債
政府系金融機関発行の債券等
積極運用資産 通貨や金融の先物
株式・債券・商品先物
それぞれのオプションやヘッジファンド
海外の貴金属・農作物・原油などのエネルギー資源
畜産物商品や通貨や金利マーケットの先物取引やオプション取引
株式・債券

積極運用がうまくいけば全体で高収益が得られますが、 うまくいかなくても、
安定運用部分で元本部分だけは別途稼ぎ出していくというしくみです。
(表1) のように、 その運用先により異なった金融商品となります。

最近では、 元本確保のために、 大手外銀に手数料を払い 「信用状」 をつける方式が一般化してきています。
しかし、「元本確保型」 商品は、 殆どが外貨建てであり運用期間 (満期) も5~7年と長く、
(1)払込元本が確保されているのは償還時だけで、 中途解約時には適用されない、
(2)信用状で確保される払込元本はあくまでもドル建てなので、 為替相場によっては、
満期時に円での受け取りが元本割れすることもありえます。 さらに
(3)信用状を発行する外国銀行が破綻した場合、 元本が確保されるかどうかは不透明であり、
その場合も日本の銀行や証券会社は基本的には損失を補てんしません。
(4)この種の商品では、 中間での取扱手数料負担も見逃せません。/p>

このように、 「元本確保」 とは預金のような 「元本保証」 ではありません。
それぞれの金融商品について充分な情報収集を行い、 その商品の短所・長所をよく理解した上で、
自分の資金の性格に最も適した金融商品を選ぶようこころがけましょう。

(表2)

預   金 元 本 確 保 型
安全性 ●銀行が元本保証
●預金保険制度の対象
●満期時に元本確保
●預金保険制度の対象外
利回り ●確定利回り
●史上最低水準に低迷
●先物や株などで高い利回りを狙う
●低金利局面では積極運用が縮小する構造
解約 ●原則自由 ●開始後1~2年たてば可能
●中途解約には手数料が必要で、元本が確保できない場合も
運用先 ●貸出など
●損失は銀行が補填
●ヘッジファンドなど個人では投資が難しい分野も
●先物運用などで損失が膨らんだら運用中断も

(1998年11月16日 日本経済新聞掲載)